新年あけましておめでとうございます。昨年は、本会の活動にご協力を賜り、改めて篤く御礼申し上げる次第であります。
さて、匿名クラブは今月8日、創立3周年を迎えます。いわゆるツイッタラー団体の活動が下火となる中、本会は皆様のご協力のもと、一昨年頃から他のウェブサービスへの進出や独自サービスの設立等、事業の多角化を進めて参りました。昨年末からは経営の安定化を目指し、様々な形で事業の収益化に向けて努力しております。その過程において、本会アライアンスパートナーの電子書籍普及委員会との連携が進展しておりましたが、私の失態により、同委員会との関係を悪化させ、財務の見通しを不透明にさせる結果となりました。これは正に私の不徳の致すところであり、改めて皆様にお詫び申し上げる次第であります。本年はより一層、団体運営の安定化に向けて努力を重ねてまいります。
昨年は、キュレーションメディアプラットフォーム「DeNA Palette」の諸サイトにおける誤情報配信や著作権侵害をはじめ、多くのメディアの問題が明るみに出、業界全体が対応を迫られる事態となりました。昨年1月21日より、匿名クラブは「価値観を塗り替える。」をコンセプトとした、若者による若者のWebメディア「Adect」を運営しております。まもなく開設一周年を迎えますが、初年度ながら多くの会員の皆様にライターとして参画いただき、また約4万件にものぼる御アクセスを賜りました。しかしながら、このアクセス数はWebメディアとして弱小の部類に入るのが実態で、また一部ライターの長期更新停止も今後の課題であります。現時点において幾つかの記事に著作権侵害や偏向報道などの疑いが残されていることにつきましてもお詫び申し上げ、今後の対応を検討してまいります。Adectは、今後単なるWebメディアではなく、本会会員全体の「情報基地」としての役割を果たせるよう成長してまいります。これはAdectを、若年層が自身の意見を広く発信し、また同世代の声を聞き、そして若者自身が新たな価値観を創造していくためのプラットフォームとして確立していくということに他なりません。これにより我々は、「失われた」四半世紀の世代に活力を与え、日本を新たなステージへと引き上げるムーブメントをつくる一助となる。それが、匿名クラブがメディア事業を通じて目指す長期的目標であります。加えて、本年はAdectの編集部機能も強化し、各種指導を通じて若年ライターの育成にも寄与してまいります。
匿名クラブ創設当時からの主力事業であった、Twitterにおけるユーザー交流親睦事業ですが、昨月「コアブランド」へ昇格したワサラー団を中心に、着実に成長を続けております。もう一つのTwitter向けコアブランドの匿名クラブも日本最大の規模を維持しておりますが、運営側の混乱もあって年間を通して活動は低調でした。現在の組織構造における、本会中枢と当該コアブランドとの関係について、理解しづらいという声も上がっております。この問題についても役員間で協議を進め、解決に向けて努力を重ねてまいります。
本会の組織についてですが、役員の士気および役員間の結束を維持できず、結果として活動の低調化を招いた点が本年の組織運営における最大の問題点でした。このことについて、真摯に反省し、役員の綱紀粛正強化ならびに一部役員の入れ替えを検討しております。本会は、意欲と実力のある役員を求めております。会員の皆様におかれましても、より一層のご協力を賜りたく存じます。
これに関連して浮上した問題は、意思決定と執行の分離不徹底、および一部役員への業務集中であります。本会の各種事業につき、その執行に関する権能の多くが、ごく一部の役員に集約されていたために、当該役員の多忙その他の事情に柔軟な対応を取ることができなかった事も、昨年の低調の一因でありました。周知の通り、本会は財務基盤の脆弱な非営利組織です。従って、会員の貢献に対する報労が役員登用に限られていたために、このような課題が生じたと考えております。尤も、金銭による報奨が望ましい手段であるとは考えておりません。あくまでも若年層による自発的行動集団でありたいと願っております。このスタンスを維持しつつ、安定した事業運営を進めていくため、広報、企画、その他あらゆる面で奮闘し、やりがいの創造に努めてまいります。
末筆ではございますが、皆様のご多幸とご健勝を祈念し新年の理事長挨拶とさせて頂きます。
平成29年1月1日
匿名クラブ 責任役員代表理事理事長
樋茂国明